測量設計業に係る調査研究、研修会の開催、普及、啓発等に関する事業を行っています

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◆JR「和歌山駅」より
  タクシー 約10分
  バス 約10分(2番乗り場) 
   「県庁前」バス停下車
  (バス停より約300m)


◆南海和歌山港線
    「和歌山市駅」より
  タクシー 約5分
  バス 約10分(9番乗り場)
   「県庁前」バス停下車
  (バス停より約300m)











第5回探訪記


電子基準点「那智勝浦」は、町立下里中学校のテニスコートの横に設置されていました。
私たちが行ったときはテニス部員が練習していました。


電子基準点「那智勝浦」付属金属標
電子基準点にはGPSのドーム本体の座標と今まで通りの金属標の座標の2つの成果があります。


一等三角点八郎岳を望む
私たちは道を間違え南側の山に登ってしまいました。


近づいてみると結構険しい岩山でした。


撮影者は(株)果無の泉さんです。


一等三角点の柱石は18cm角
二等三等は15cm角
四等は12cm角
設置は明治28年9月18日となっています。


一等三角点八郎岳より浦神方面を望む
約200度の方向に海が見え展望は抜群でした。
明治28年にこの場所を見つけた人の苦労がしのばれます。
串本方面には大島が見えます。
(現在の標石が明治28年のものかどうかは判りません。)


「カシミール3D」により八郎山より浦神方面を望む


「カシミール3D」により八郎山より潮岬方面を望む
遠くに大島が見える


泉さんの奥さんから頂いた手作りの民芸品。
台は天然の「かずら」で出来ています。

2004年1月25日(日)」私たち和歌山県測量設計業協会に紀南支部有志は、第5回目に当たる高野熊野世界遺産登録申請記念の三角点登山を行いました。今回は、電子基準点「那智勝浦」と一等三角点の「八郎山」に登ってきました。この付近では熊野那智大社や青岸渡寺、那智の大滝、那智の原生林及び補陀洛山寺が世界遺産への登録を申請しています。また熊野参詣道の大辺路及び中辺路のルートが近くにあります。以下その探訪の報告を致します。
電子基準点「那智勝浦」は、「点の記」によりますと、那智勝浦町立下里中学校の中に設置されています。電子基準点は地球の上空2万6千メートルを周回する人工衛星から発信されている電波をキャッチし、地球規模でその位置を測定することの出来るシステムです。ちなみに地球の赤道直径は1万2千7百メートルなので直径の約2倍の高さを飛んでいることになります。現在日本に設置されている約1,000個の電子基準点が測定したリアルタイムの情報は、茨城県の筑波にある国土地理院に電話回線を使い送られています。その情報は、一般にも無料で公開されています。また、固定の電子基準点が捉えた日本の地殻の変動の情報も公開されています。
もうひとつの一等三角点「八郎山」は標高249.61mで、「点の記」によれば、明治28年5月28日に選点されています。本州最南端の一等三角点かと思えば残念ながらもう少し南の古座川町に「峰の山」という一等三角点があります。本州の八郎山よりも南に位置する一等三角点を確認すると、山口県の上関町に「室津山」という三角点がありますが、北緯が33度51分で「八郎山」の33度34分の方が南にあります。従って、「八郎山」は本州で2番目に南に位置する一等三角点ということになります。
朝、那智勝浦町の下里にある、日曜大工センター「コメリ」に集合しそこから下里中学校を訪ねました。電子基準点は校庭の西側にあるテニスコートの脇に建てられており、テニス部員が日曜日の早朝練習をしていました。私たちは記念に写真を撮り、一等三角点「八郎山」を目指しました。
国道42号を南下し、駐車場で山道を走るため2台の車に分乗し、田原川右岸を北上し途中から林道に入りました。10分程度林道を走り、終点で車を降りて山道を登り始めました。最初、沢に沿った山道を歩き、途中には関西電力が作った作業用の階段がありました。尾根に出てから尾根ずたいに三角点を目指しましたが、途中間違えて南側の山に登ってしまいました。八郎山は近づいてみると結構険しい岩山でした。登ってみるとさすがに一等三角点だけあって見晴らしは最高でした。ちなみに一等三角点網の平均辺長は25kmです。従って少なくとも2カ所は、隣り合わせの25km先の一等三角点が見通せる場所に選点されています。
季節は冬で、空には雲1つ無く晴れ渡っていました。南東方向には、串本の大島が遠くに見えます。東の方向には浦神湾とそれに続く太地の半島が見えています。
一行は一時間ほど休息し、山を降りました。